こんにちは!和紙写真家の大塚麻弓子です。
心が疲れたあなたへ。見せかけの「頑張り」を手放し、本当の「心の根源」を見つける旅へ
「毎日、頑張っているのに、なぜか心が満たされない…」
「現実がうまくいかなくて、自分に自信が持てない…」
「『夢を持て』『目標に向かって頑張れ』って言われるけど、それって本当に私が心から望んでいること?」
もしあなたが今、こんな風に感じているのなら、この記事はきっとあなたの心に響くはずです。
社会が求める「理想」に合わせようと無理をして、心が疲弊してしまっている人は、決して少なくありません。
私たちは、たくさんの情報や「こうあるべき」という価値観の中で、知らず知らずのうちに心の奥底にある大切なものを見失いがちです。そんな時、東洋と西洋の精神を繋いだある思想家の言葉が、私たちに深く問いかけます。
彼の名は鈴木大拙。彼の代表作である**『日本的霊性』**には、頑張ることに疲れた私たちが、本当の「心の根源」を取り戻すための深いヒントが隠されています。
この本は、単なる歴史書や宗教書ではありません。日本人の精神がいかにして形成され、いかにして「霊性」という心の奥底にある輝きに目覚めていったのかを、丹念に紐解いてくれます。
この記事では、『日本的霊性』の扉を開く序章に焦点を当て、その核心にあるメッセージを分かりやすく解説していきます。
この第一篇を理解することは、本書全体の「なぜ?」と「何を」に答える、最も大切な導入部となるでしょう。さあ、彼の言葉を辿りながら、あなたの心の奥深くへの旅を始めましょう。
なぜこの本が書かれたのか? ~明治から戦後の「心の混乱」と「薄っぺらな精神論」への警鐘~
鈴木大拙が生きたのは明治の初めから昭和の後半。
そして『日本的霊性』を執筆したのは、第二次世界大戦が終結し、日本が全てを失い、国の再建という困難な時期に直面していた頃でした。
想像してみてください。
文明開花で一気に西洋の波が押し寄せた時代。
そして西洋の先進性に憧れ、軍国主義に突き進んだ時代。
そして敗戦で全ての価値観がひっくり返り、何を信じて生きていけばいいのか、誰もが分からなくなってしまった時代です。
この混乱の時代、日本社会では「日本人とは何か?」「日本精神とは何か?」という根源的な問いが、まるで迷子のようにさまよっていました。
大拙は、当時の日本の状況を深く憂慮していました。
例えば、「形だけの愛国心」や、「表面的なナショナリズム」が声高に叫ばれる一方で、心の拠り所を失った人々は、外国の文化や思想を無批判に受け入れようとする傾向も見られました。
大拙は、こうしたうわべだけの議論や価値観では、日本人の真の精神を取り戻すことはできないと直感していたのです。
大拙先生が問題視したのは、単なる合理主義や科学主義への傾倒、あるいは薄っぺらな精神論が、日本人の**「最も深い生活の根底」にある、もっと大切な心のあり方を見失わせていることでした。
彼は、そうした状況に強い危機感を抱き、この本を通じて「真に日本的なもの」とは何か**を問い直し、日本人本来の心の輝きを呼び覚ます必要性を感じたのです。
鈴木大拙が追い求めた「心の奥底の輝き」とは何か? ~論理を超えた「気づき」の感覚~
では、大拙がこの本で掘り下げようとした、**「心の奥底の輝き」**とは、一体何でしょうか?
彼はこれを**「霊性」という言葉で表現しました。
しかし、これは特定の宗教宗派の教義や、単なる倫理道徳に限定されるものではありません。
大拙の言う「霊性」とは、私たちの無意識の奥底に息づく、生命の根源的な衝動や体験**を指します。
それは、まるで稲妻が走るような**「直感的な気づき」**の感覚です。
頭で考えて理解するのではなく、全身で感じ取るような、言葉や理屈を超えた心の動き。
私たちは、自己を超えた大きな存在と繋がる瞬間に、この感覚を体験することがあります。
それは、例えば深い森の中で木漏れ日を浴びた時、雄大な自然に触れて言葉を失った時、あるいは一瞬、全てが「ああ、そうか」と腑に落ちるような体験。
特定の宗教の枠を超え、人間が誰しも持っている、生命そのものの躍動や、生きることの根源的な喜びを感じ取る力なのです。
大拙先生は、この「心の奥底の輝き」こそが、日本人が世界に貢献できる独自の価値であり、日本の真の再建に不可欠なものであると考えていました。
彼は、「真に日本的なもの」は、外側の形式や概念ではなく、この心の奥底にこそあると、強く訴えかけたのです。
なぜ「禅」なのか? ~『日本的霊性』が示す「未来への道」~
『日本的霊性』は、日本人の心の奥底にあるこの「霊性」を、歴史的・思想的視点から深く掘り下げていくことを目的としています。
その中で、大拙先生が特に注目し、本書の大きな柱としたのが**「禅」**でした。
なぜ「禅」だったのでしょうか?
禅は、言葉や概念による思考を超え、「直観によって真理を悟る」ことを重んじます。
そして、その悟りを日常生活の全てに活かすことを説くのが特徴です。
坐禅を通じて自己の内面を深く見つめ、論理では割り切れない生命の根源に触れる体験は、大拙先生にとって、「霊性」の最も純粋な表現形態だったのです。
禅は、武士道精神や茶道、華道、庭園といった日本の文化や芸術、そして人々の日常生活のあり方にも深く根ざし、日本人の「心の奥底の輝き」の形成に大きな影響を与えてきました。
大拙のこの研究は、単なる過去の分析に留まりませんでした。
それは、戦後の混乱、そして現代にも通じる混迷の時代を生きる私たちに、未来への指針を示すための、深いメッセージなのです。
『日本的霊性』序(諸言)から、現代の私たちが得るもの
鈴木大拙の『日本的霊性』序(諸言)には、約80年前の日本の姿が描かれていますが、その内容は、まるで現代の私たちの心に直接語りかけるようです。
令和の今、テクノロジーはものすごい速さで進み、数年前の常識は通用しない、そんな時代です。
明治から大正、昭和にかけての激動の時代の変化も大変なものだったでしょうが、今の私たちも目の回るような速さの変化の渦中で大拙が生きた時代よりも近くなった海外との関係の中、日本という自国、自分自身に迷い不安に駆られている人が多くいます。
「頑張っているのに満たされない」「本当の自分がわからない」――そんな心の悩みを抱える時、この本は、私たちに**「心の根源」**を見つめ直すことの重要性を教えてくれます。
表面的な価値観や情報に惑わされず、自分の内側に息づく**「あなた本来の輝き」**に気づくこと。
それが、本当の心の豊かさ、そして未来を切り開く力になるでしょう。
この序(諸言)をきっかけに、ぜひ『日本的霊性』という本の旅を始めてみませんか?
きっと、あなたの心に静かな光が灯るはずです。
この記事をきっかけに、書籍本体も手に取ってみていただけたら、大変嬉しく思います。
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ただ、正直に言って非常に読むのが難しかったです。
ですので本を片手にこちらの音声を聞きながら読んでいただけると読みやすくなるかなと思います。
(読み間違いなどありますが、出来る限り調べているのですが、出てこない場合も多く…見逃していただけると幸いです。)
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これから要約などもしていこうと思っているのでご興味がある方はチャンネル登録をしていただけると嬉しいです。
また、動画内の写真は全て私自身が日本中を旅して撮影した作品となります。
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