アートは美しくないもの!?わからなくてもアートがざっくりわかる

アートを学ぶ

こんにちは!

和紙写真家の大塚麻弓子です。

アートって美しい芸術作品のことじゃないの?

そうだったらとってもわかりやすいのですが、『アート』という言葉の定義はとても広くて、私もここ数年間

『アートってなんだ?』

という命題に立ち向かいながら作品作りを行なっています。

何を表しているのか全くわからない彫刻

グロテスクにも思える絵画

空間全体を使ったアート

一体アートとは芸術とはなんなのでしょう?

今回は『アート』という言葉の成り立ちと意味、そして歴史的に果たしてきた役割と変遷をざっくりとわかりやすくお伝えするとともに、アートが難解になってしまった理由についてをお伝えします。

全然アートなんてわからないけど、実はちょっとだけ興味があるんだよね。

そんな方に読んでいただけたら嬉しいです。

『アート』の語源と起源は人類の創造の始まり

それでは初めに『アート』という言葉の語源を探ってみましょう。

アートの語源:「ars(アルス)」

『art』を日本語訳すると

芸術、芸術作品、美術、美術作品、(何かをする)技巧、術、わざ、熟練、腕、(専門の)技術

Webilio英和辞典参照 https://ejje.weblio.jp/

「アート(art)」の語源は、ラテン語の「ars(アルス)」に由来します。

アルスは、「技術」「技芸」といった意味を持ち、古代ギリシャの「テクネー」という言葉にも通じます。

つまり、アートはもともと、何かを作り出すための技術や能力を指していたのです。

現在も技や術、技術という意味も載っていますが、自然物に対する人工物全てに対して使われる言葉が『アート』だったのです。

それは芸術作品だけにとどまらず、例えば『工芸』や『医療』や『土木建築』などなどそこに『美』という観点はなく、人の手が加わっているかいないかが基準でした。

人類の創造の始まり

では、アートはいつ、どのように始まったのでしょうか?

1. 原始時代の芸術:生きていくための創造

こちらは約4万5000年前に描かれた洞窟壁画です。

ラスコーの壁画

スペインのアルタミラ洞窟やフランスのラスコー洞窟には、動物や人物を描いた壁画が残されています。

当時の人々は芸術活動として洞窟に絵を描いたということではないでしょう。

これらの壁画は、当時の人々が狩猟の成功を祈ったり、儀式を行ったりするために描いたと考えられています。

また、貝殻や動物の骨、石などを使った装飾品も作られていました。

これらは、身を守るためや、社会的な地位を示すために使われたと考えられています。

2. 古代文明の芸術:神々への祈り、権力の象徴

古代エジプトでは、ピラミッドや神殿などの巨大な建造物、ヒエログリフと呼ばれる象形文字、死後の世界を描いた壁画など、宗教的な意味合いの強い芸術が発展しました。

メソポタミア文明では、シュメール人の楔形文字、ジッグラトと呼ばれる巨大な神殿、神話や王の業績を描いた彫刻など、高度な技術と文化に基づいた芸術が生まれました。

古代ギリシャ・ローマ文明では、神々や人間の理想像を描いた彫刻、劇場や競技場などの公共施設、哲学や文学など、人間の理性や美を追求する芸術が発展しました。

ギリシャ文明

円盤投げ像
紀元前450年ごろ/大英博物館所蔵
参照:ルーブル彫刻美術館

これらの古代文明における芸術は、神々への祈りや、権力の象徴として重要な役割を果たしていました。

紀元…つまりキリスト教の誕生によって西洋での美術はキリスト教美術へと変化していきます。

宗教のための絵画

紀元2世紀あたりから約1500年。

西洋ではキリスト教の布教のために美術が使われました。

当時の人たちは識字率が低く、何かを伝えるためには絵画にすることが効率が良かったのですね。

そういう意味では壁画に通ずるものがあるかもしれません。

初期キリスト教美術がこちら。

当時キリスト教は偶像崇拝が禁止されていたため、キリストは羊や羊飼いの姿で描かれることが多かったようです。

画像はWikipedia参照

時代が進んで、偶像崇拝禁止が緩むと

聖書の内容を伝えるために建築や、絵画、彫刻などが使われます。

太古から芸術とは何かを伝えるため、もしくは権力者の権力の象徴として使われてきました。

この後もそれは同様で、宗教画という布教のためという理由。

また、絢爛豪華な芸術様式は王族や貴族の象徴のようにも建築、絵画、彫刻などなどが使われていました。

様式によって多少のルールというか傾向があるものの、ここら辺は豪華だったらめっちゃ良い!(雑すぎる)みたいな風潮だったかもしれません。

アートが現在の意味に近づいた産業革命

産業革命によって私たちの文明は大きく進化しました。

そしてそれはそれまで使っていた

『アート』

人の手から生み出されるもの全てという意味から、医学や化学などを独立させました。

その結果アートの意味合いは芸術や美術と言う一旦狭義の意味として定着します。

豪華で官能的な様式が否定され、古典を取り戻そう、理性的な芸術作品を作ろうという流れがあったり、さらにそれに反発して主観的で感覚重視な思想が流行したりしますが、

さらに19世紀になると、どれだけ現実に近づけるかという『写実主義』が始まります。

画像はWikipediaより 

ここら辺は『アートがわからん!』の人でもとてもわかりやすいかもしれませんね!

現実に近い絵がウマイ!みたいなお話なので。

そしてここからが今回の本題。

アートが難しくなった原因カメラの登場です。

アートが難しい!の始まりはカメラの登場

現代ではスマホに搭載されたカメラがあるので1人1台以上は持っていると思われるカメラ。

カメラ…写真機が登場することで少なくても絵画における『写実主義』は崩れ去ります。

現実の記録という役割はあっさりと写真に奪われてしまうのです。

そうしてどれだけ現実にそっくりかということを追い求めるのを辞めた芸術家たちはどれだけ画質を落とすがという真逆の方向に走っていきます。

そうすると、次に起こってくるのが『内面の表現』というアートの新しい意味合いの誕生です。

社会に対する抗議の意味合いだったり、自分の思想の反映だったり。

これがアートが難しくなった原因ではないかと考えます。

これまでの芸術作品は時代の流れによって判断の基準が決まっていた。

しかし『現代アート』と言われるアートの登場によって『アート』は一旦狭まった言葉の範囲を大きく別の方向に広げたのではないでしょうか。

西洋でいうアートは学問なのだそうです。

歴史があり、流れがある。

その流れのどこかを受け継ぎつつ、それに対するアンチテーゼを呈する現代アート。

そりゃ難しいわけです。

そして美しいものばかりでもなくなりました。

それから、基本的にこれって西洋のお話で、日本に『アート』という学問が持ち込まれたのが明治時代。

現代においても一般人にとって『アート』が身近であるとは言えないし、体系的に学んでいないものがわからないのは当たり前なのです。

知るとどんどん楽しくなる

図工、美術は大っ嫌い。

普通の一般人だった私ですが、写真家となるためにアートを勉強中です。

なぜなら写真はアートの一つに組み込まれたから。

私もアーティストになるべくアートを一から学んでいるのです。

でも、学ぶと見える世界が広がって、理解度が深まってどんどん楽しくなってくる

一部情報が偏ったりしているかもしれませんが、私なりにアートの学びをアート初心者の方に向けてアウトプットしていきたいと思います。

疑問、質問なども募集しておりますので一緒にアートを学びましょ!

ちなみにちんぷんかんぷんだった私が最初の一歩として学ばせていただいた本についても書いておりますのでぜひそちらも読んでみてくださいね。

私と同じようにアートって全然わからない。

だけどわかるようになりたい。

そんな方と一緒に学んでいけたらいいなと思います。

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